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電気料金全国統一基準

どの電力会社の電気料金が安いのかわからない

 

スーパーマーケットでは、他店より少しで価格が高いと販売量に大きく影響します。

 

ガソリンスタンドは、1円、2円の表示の差でドライバーの心を揺さぶります。

 

血のにじむような企業努力をして、スーパーもガソリンスタンドも必死で経営をしています。

 

 

 

ところが、電気料金はどうでしょうか。

 

消費者が住む場所によって、購入先は1社のみです。

 

買う側と売る側の料金交渉もないままに、電力会社から一方的に電気代を請求されます。

 

全国には10の電力会社がありますが、どこの電気料金が安いか高いか、まったくと言っていいほどわかりません。

 

われわれ消費者にも、責任があります。

 

自分の家で月にどれだけ電気を使い、いくら支払っているかを正確に言える人はごくわずかです。

 

ここに大きな問題が潜んでいます。

 

 

競合が少ないと、コストダウン努力も遅い

 

スーパーで買い物をする主婦の頭の中には、買う商品の価格情報がみごとなまでにインプットされています。

 

「お買い得品」とPOPが貼られていても、そこに書かれている価格が本当に”お買い得”かどうかを瞬時に判断していきます。

 

その店の過去のセール価格や、他のスーパーの特価を参考にするのです。

 

どれくらい安ければ、「お買い得品」に手を伸ばしてもらえるかを、流通サイドも必死で検証します。

 

そして、安くするために当然仕入れ交渉も知恵をしぼり、タフにこなさなければなりません。

 

ディスカウントストアとの競合もあれば、コンビニがライバルになることもあります。

 

厳しい競争があるからこそ、モノも安く買えるのです。

 

 

他の電力会社からお客さまを奪われるリスクが少なければ、電気料金を下げる必要性もありませんし、利益を確保するための努力もしなくて済みます。

 

 

10大電力会社の電気料金比較から始める

 

自分のところに供給されている電気料金が他の電力会社のものより高ければ、値下げ要求をしたくなります。

 

しかし、現状では簡単に電気料金を単純比較できるような状況ではありません。

 

毎月月末に、翌々月の電気料金が各電力会社から公表されています。

 

各社のホームページに公開されているので、確認することができます。

 

10社のホームページを確認する人も少ないでしょうし、内容を精査するのも一苦労です。

 

 

比較検討のための”電気料金全国統一基準”

 

10大電力会社の電気料金を比較しやすいように、料金算出の統一基準を考えました。

 

基準をご覧ください。

 

■電力会社      東京電力

■契約プラン     従量電灯B

■契約アンペア数   40A

■使用電力量     400kWh

■燃料費調整(8月分)

 太陽光発電促進付加金

 再生可能エネルギー発電促進賦課金も計算

 

東京電力をサンプルに説明します。

日本の電力会社は以下の通りです。

 

◆北海道電力

 主に北海道

◆東北電力

 主に青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、新潟県

◆東京電力

 主に茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県

◆北陸電力

 主に富山県、石川県、福井県

◆中部電力

 主に長野県、岐阜県、愛知県、三重県、静岡県

◆関西電力

 主に滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県

◆中国電力

 主に鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県

◆四国電力

 主に徳島県、香川県、愛媛県、高知県

◆九州電力

 主に福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県

◆沖縄電力

 主に沖縄県

 

 

【使用電力量】

各電力会社は、北海道電力260kWh、東北電力280kWh、東京電力290kWh、その他の電力会社300kWhを”標準家庭”のモデルとして使用しています。

 

kWhのkはキロ、Wはワット、hは時間(アワー)を表わしています。

 

電力量はワット(w)で表記されますが、1kWは1000Wのことです。

 

1kW(キロワット)の電力を1時間使ったとき、1kWh(キロワット時)になります。

 

電子レンジやヘアドライヤーなど、1000W(1kW)の電気機器を1時間使い放しにするくらいの電気量です。

 

多くの電力会社は300kWhを標準モデルに採用していますが、実際の家庭ではもっと多くの電力を使用しています。

 

 

 

「平成22年度におけるエネルギー需給実績」で検証

 

資源エネルギー庁が平成24年4月13日に「平成22年度におけるエネルギー需給実績」を公表しています。

 

47ページにおよぶレポートですが、この中で平成22年度の家庭における世帯あたりのエネルギー消費量が明確に記されています。

 

一世帯あたり、年間40.0GJ(ギガジュール)ものエネルギーを消費しているというのです。

 

この内、51%が電力で消費されていることも報告されています。

 

一世帯平均2.4人の家族構成ですから、電力会社が想定する”標準家庭”よりも小さい家庭でしょう。

 

この”標準家庭”以下の電力消費量を計算してみますと、以下のようになります。

 

40GJ/0.51=20.4GJ

電力1kWh(キロワット時) = 3,600KJです。

20,400,000KJ/3600KJ = 5,667kWh/年

5,667kWh/12ヶ月 = 472kWh

 

2.4人の世帯で1ヶ月で472kWhもの電力を消費しているのです。

 

ところが、東京電力の標準モデル(平均モデルとも)の家庭の電力使用量は290kWhと182kWhもの差があります。

 

電気料金を安く見せかけるのと、電力使用量を小さく見せかけようとする意図性を感じずにはいられません。

 

「平成22年度におけるエネルギー需給実績」は日本のエネルギー政策のベースになるようなデータですから、472kWhという数字はそれほどかい離したものではないでしょう。

 

 

 

平成23年「家計調査」(二人以上の世帯)で検証

 

今度は、実際に支払った電気代から検証をしてみましょう。

 

政府統計のe-Statから平成23年「家計調査」(二人以上の世帯)のデータをダウンロードして、確認してみました。

 

平成23年の1年間に支出した電気代は一世帯あたり115,089円でした。

 

月平均にすると9,591円になります。

 

電気代を1kWh24円として計算してみると、約400kWhの電力を消費している計算です。

 

そこで、電気料金全国統一基準では、月の使用電力量を400kWhで統一しました。

 

 

契約アンペア数によって基本料金も違う

 

北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力の6社では、ブレーカーの契約アンペアの容量によって基本料金が異なります。

 

各社の”標準家庭”では、30A(アンペア)の契約で料金が計算されていますが、これは小さすぎます。

 

エアコンやアイロン、電子レンジ、ドライヤー、食洗器などの電力消費の大きい家電製品を同時に使用すると、ブレーカーが落ちる可能性が高くなります。

 

大きいアンペアの方が安心ですが、電気料金全国統一基準では40Aに統一します。

 

 

契約プランは標準的なもので設定

 

電力会社によって契約プランの呼称は様々ですが、深夜電力使用等の特別な割引のない、一般的な契約プラン(従量電灯等)を統一基準にしました。

 

東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の7社には、電気料金の口座振替にすると52.5円(税込)割引になる制度があります。

 

北海道電力、東北電力、沖縄電力の3社が未対応なのと、クレジットカードでの支払い等もあり、口座振替での比較は意味が薄いとの判断で、電気料金全国統一基準では除外することにしました。

 

その他に毎月各電力会社から公表されている燃料費調整(電力会社により異なる)と太陽光発電促進付加金(電力会社により異なる)、再生可能エネルギー発電促進賦課金も電気料金計算に反映させています。

 

 

"同じモノサシ"で電気料金を比べる

 

以上のように電気料金全国統一基準を使って、同じモノサシで10社の電気料金を比較することで、各社の企業努力もわかりやすくなってきます。

 

統一基準を使って、10社の電気代を比較すると、以下のようになりました。(2012年8月分)

九州電力      9,355円
北陸電力      9,364円
関西電力      9,613円
四国電力      9,776円
中部電力     10,038円
東北電力     10,179円
東京電力     10,324円
中国電力     10,427円
北海道電力   10,530円
沖縄電力     10,997円

こうやって、同じ条件で見比べていくと、変化もわかりやすくなり、値下げ要求もやりやすくなっていくはずです。

 

 

2012年6月30日

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